Tuesday, April 29, 2008

I'm not there




・会社に行くも、同じチームで出社しているのは僕の他に一人だけだった。

・仕事が終わると、新宿で山下君に会い、頼んであった物品を受け取る。その後、トッド・ヘインズのI'm not thereを見に行くというので、ちゃっかりついていく。

I'm not thereは6人の主要な登場人物がそれぞれBob Dylan(を表象する人物)を演じるという、一風変わった演出の映画で、非常に面白かった。

まず、前半に黒人少年が登場するのだが、彼と旅の途中で出会った壮年の黒人男性二人とのセッション風景での歌が、ずいぶんと感動的であった。三人でギターを弾きながら歌を歌うシーンであり、スピーカーから流れて来る演奏は明らかに映像で移されているメンバーが演奏しているものでないことがわかってしまうのが(画面にはないベースの音もはいっている)若干気にはなるが、(たしかここで演奏された曲は僕が知らない曲だったと思うが、Bob Dylanの曲ではあったと思う)ブルーズ的な音楽の持つ黒人性と、カントリー/ブルーグラス的な疾走感がたまらなく良い。

その他、映画中で演奏されるのはほぼBob Dylanの曲であり、Bob Dylan自身の演奏もあれば、劇中歌として登場人物が演奏するものもあった。しかし全てきわめてクオリティの高いものであった。音楽を聴くためだけでも、この映画を見る価値はあろう。

映像についても相当の強度が備わっていた。専門的なことはわからないが、白黒や、古い機材を利用した感じのフィルムの諧調や分解能が悪くつぶれた感じの映像の、黒から伝わって来る深い闇の気配、あるいは各ショットが作る構図の美しさなどは、優れた映画の持つ特徴なのだろう。

事前に知ってもいたが、主人公の中で、ロックスターを演じるケイト・ブランシェットの成りきりぶりは凄い。ロックスターの才能と苦悩とを見事に演じていた。

また、映画の終わり方などにはニーチェ的な永劫回帰を感じたが、どうか。

・つまるところBob Dylanは偉大である。ということが痛感させられる映画。

・そもそも数を見ていないということもあるが、映画について何か書くというのはとても難しいね。情報量がありすぎるから、まあ書こうと思えば字数はかけるかもしれないが、なかなかまともなことを書けそうな気が今のところはしない。もう少しくらいは体系的に見たりするべきかもしれない。

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