Tuesday, March 20, 2012

最近の仕事と読書

ここのところ、なかなかに仕事が忙しい。新しいWebサービスを開発していて、近々ベータとして公開する予定でいるのだが(クローズドなもので、残念ながらここでお知らせする類いのサービスではない。)、初期に作ったまま放ってあった未熟な部分が今になって目につく。そもそも基本機能として不足する点もあるが、それはこれから積み上げてゆくしかない。

公開するのに伴って、UIのデザインも詰めていかないといけない。本来、我々の会社としてはレイアウトやデザインは専門のデザイナーに委託するのだが、今回、当面のデザインは自分でしている。これも完成度が低いものが残っているので、これから最低限の作業が必要である。これはこれで楽しい作業でもありつつ、しかしなかなかに時間と体力を使う。

今年に入ってからはこの仕事の関係もあり、珍しくIT関連の本を何冊か読んでいた。だからあまり縦書きの文芸書を読む時間がとれていなかったが、今は少し前に高田馬場のブックオフで買った中井久夫のエッセイ集、『記憶の肖像』を読んでいる。それぞれとても短い散文が集められているが、どれも非常に美しい文章である。旅行の回想などが多いが、言葉の端々からまなざしの細やかさが伝わる。

ちなみに中井久夫を読もうと思ったのは、ひとつにはずいぶん前に佐々木中氏がジュンク堂新宿店のブックフェアで紹介しているのに興味を持ったからだが、もうひとつ大きな点としてはアラザルの山本君がvol.6で言及しているのを読んだからだ。山本君は精神科医としての中井久夫を読んでいたが、『記憶の肖像』では残念ながら直接精神科的な文章は今のところ出てきていない。そのうち別の著作も読んでみたいと思う。